小畑会計の相続ブログ

2013年9月25日 水曜日

最高裁判断に基づく取り扱いの変更

こんにちは、浜松市浜北区の税理士 五日市一弥 です。



以前から注目されていた裁判について、平成25年9月4日に最高裁判所の

判断がありました。

内容は、非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の半分、としている民法の

規定は憲法違反(『違憲』)であるというものです。


非嫡出子とは正式な婚姻関係が無い男女の間に産まれた子供のことを

いいます。


例えば、ある女性に2人の子供がいるとします。

1人目の子供は独身時代に出産しシングルマザーとして育てていた。

その後結婚し、夫との間に2人目の子供を出産した。

その後夫は死亡し、3人で生活をしていたが、母親である女性が死亡。

相続人は子供が2人。



女性から見ればどちらもお腹を痛めた実の子供であることに間違いは

ありませんが、この場合の相続分は、非嫡出子とされる1人目の

子供が3分の1で、2人目の子供が3分の2という結果になります。


裁判自体はまだ続きますが、この判断にともない国税庁からは下記の

ような取り扱いの変更が発表されました。

① 平成25年9月5日以後に提出する相続税申告においては、
   非嫡出子と嫡出子を平等に扱う

② 過去に提出した申告について財産漏れなどが発覚したことにより
   平成25年9月5日以後に、修正申告などをする場合も平等に扱う

③ 過去に提出した申告について、この判断だけを根拠とした
   更正の請求(納めた相続税を返してもらう手続き)は認めない


※簡略化していますので、詳しくは国税庁のHPをご覧ください

最後の③については、違憲判断とともに『確定的なものとなった法律

関係に影響を及ぼすものでない』という文言が付け加えられたことに

よります。



"最高裁判決" = "もうどうしようもない決定事項" という印象を

受けますが、社会の変化に伴ってその判断が変わることがある、

ということを実感できた事例でした。







投稿者 小畑裕之税理士事務所 | 記事URL

2013年9月17日 火曜日

相続税の税務調査実績より

こんにちは、浜松市浜北区の税理士 五日市一弥 です。



 国税庁の発表によると、平成23事務年度(平成23年7月

~平成24年6月)では、相続税申告を行った人の約3割に当

たる13,787件に対して税務調査が行われ、このうち実に
8割以

上の人が申告漏れを指摘されています。




【平成23事務年度/相続税調査の結果】

 ❏ 調査件数           ⇒   13,787件
 ❏ 申告漏れ等の件数   ⇒   11,159件
             (申告漏れ割合:80.9%)

 ❏ 申告漏れ課税価格   ⇒  3,993億円
             (調査1件当たり:2,896万円)
 ❏ 追徴税額合計       ⇒    757億円
             (調査1件当たり:549万円)



 8割以上で指摘事項があったというのも驚きですが、この発表

の中でさらに興味深いことは、税務調査後の修正申告における


申告漏れ財産の内訳です。

 第1位 現金・預金等  1,426億円

 第2位 有価証券     631億円

 第3位 土地       630億円

上記の順番となっています。




相続税の確定申告(調査を受ける前の自主申告)を集計すると

相続財産のうち、実に50%以上が不動産(土地や建物)となって

いるのですが、税務調査を受けた後の修正申告では、現預金が


最も多くなっているのです。



 この現預金の申告漏れは「名義預金」が多くを占めると
予想

されます。

 たとえ家族名義でも、本人が管理して家族が
自由に出し入れ

できない口座は、本人の財産とみなされ相続税の
対象になります。
 


 また、死亡前に下ろした預金は「手持ち現金」として
相続財産

に計上しなければなりません。相続財産は名義に関わらず、
実質

的な所有者が被相続人であるものをいいます。相続税の改正に

よって、新たに相続税を負担する人が増えるといわれています

ので、
申告の際は注意が必要です。









投稿者 小畑裕之税理士事務所 | 記事URL

2013年9月 9日 月曜日

贈与税も変わります!

こんにちは、浜松市浜北区の税理士 五日市一弥 です。



前回書いた相続税の税率構造の見直しと同時に、

平成27年1月1日以後の贈与について、贈与税の税率が変わります。

具体的な税率については下記の表のとおりです。

ここで『特例贈与』というのは、20歳以上の人が両親や祖父母から、

財産をもらうことをいいます。

課税価格
(基礎控除後)
~H26年 H27年~
(特例贈与)
H27年~
(通常贈与)
税率 控除額 税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 10% 10%
300万円以下 15% 10万円 15% 10万円 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円 20% 30万円 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円 40% 125万円
1,500万円以下 50% 225万円 40% 190万円 45% 175万円
3,000万円以下 45% 265万円 50% 250万円
4,500万円以下 50% 415万円 55%
400万円
ここだけ増税
4,500万円 55% 640万円


贈与税の計算の仕方は、

もらった金額から110万円の基礎控除額をマイナスして、

その金額を上の表に当てはめて計算をします。

例えば、今年中にお金を500万円貰えば、

500万円-110万円=390万円

390万円は400万円以下なので、

390万円×20-25万円=53万円(納める贈与税額)

となります。


上の表のオレンジ色で塗りつぶした所だけが増税になり、それ以外の

部分は減税か横ばいという結果になります。

平成27年以後相続税を増税するのに対し贈与税を減税することで、

生前の資産の移転を促す、ということが目的です。



また、【もらった金額】 対 【納める贈与税額】 の負担割合という

視点で見てみると、負担割合が10となる金額は次のようになります。


改正前:470万円もらうと → 47万円の贈与税を納める

改正後:520万円をもうと → 52万円の贈与税を納める


つまり、同じ負担割合で贈与できる金額が増えた、ということですね。


この考え方を使った相続税の節税方法が最近よく聞かれます。

なにも難しいことはありません。

① 相続税を試算して、その時点での相続税の負担割合を算出

② それよりも低い贈与税の負担割合の金額を贈与する


相続税の負担割合が20になるのであれば、10の負担割合で

贈与できる金額を贈与して贈与税を支払うことで、相続税の負担割合を

下げていきます。


『贈与税を数十万円支払うのはいや』 という気持ちも理解できますが、

贈与税と相続税をトータルで考えた場合にメリットが有るのであれば、

検討する価値が有ります。







投稿者 小畑裕之税理士事務所 | 記事URL